【ブログ更新】高利回り評判の投資信託「企業価値成長小型株ファンド(通称:眼力)」を徹底的に評価する!

眼力という愛称で親しまれている企業価値成長小型株ファンドという投資信託があります。

眼力は日本国内の利益成長が見込まれる小型株に投資してリターンを獲得することを目指す運用を行っています。

 

小型株投資でリターンを上げてきたファンドとして、ひふみ投信やジェイリバイブがあります。

→ 高利回りで評判のひふみ投信の現状と今後の見通しを徹底評価!運用成績・手数料・NISAとの相性を含め網羅的に紐解く。

→ 【ジェイリバイブ】過去10年では最強と評判のSBI中小型割安成長株ファンド(愛称:jrevive)を評価!今後の見通しを含めて紐解く。

 

これらの投資信託は運用開始初期には高いリターンを叩き出していたのですが、近年は当初の運用ができなくなり日経平均と同等の成績に落ち込んでいます。

以下はひふみ投信ジェイリバイブ日経平均株価の株価推移の比較です。

過去3年のジェイリバイブとひふみ投信と日経平均株価の推移

本日は眼力は小型株ファンドとして魅力的な投資信託なのか?

日経平均や他のアクティブ型投資信託と比較しながら考察していきたいと思います。

企業価値成長小型株ファンド(通称:眼力)はどんな投資信託?

では、まず眼力がどのような投資信託か見ていきましょう。

投資対象銘柄は利益成長が見込める小型株銘柄

投資対象銘柄は以下の通りとしています。

銘柄選定にあたっては、利益成長による将来のROEの水準や改善に着目し、経営の健全性、 株価投資指標(バリュエーション)の割安度、期待される投資収益率なども勘案して決定し ます。

流動性、想定するリスク・リターンや投資シナリオの確度の高さなどを考慮し、個別銘柄の 投資比率を調整します。

参照:眼力の目論見書

 

ROEとは資本収益率のことで、株主が出資した分である株主資本でどれだけ純利益を生み出せるかという指標です。

→ ROE、ROAの計算・目安をわかりやすく説明する!投資初心者のための重要指標解説編。

→ ROE/ROAって何?企業の収益力を表す指標とその目安について

例えば、投資家が全体で100億円出資しており、純利益が10億円の場合はROEは10%ということになります。

 

日本は米国や欧州に比べてROEが低いことが経産省のレポートの中でも問題視されています。

日米欧の上場企業のROE推移の比較

参照:経産省

 

眼力は特にROEが高い銘柄を投資対象として選定しているということですね。更に財務安全性やPERやPBRなどの割安指標の数値を重視しているとしています。

コラム:何故ROEが重要な指標なのか?

その年に稼いだ利益の中から配当金を支払った後の資金は株主資本に追加されます。

そして、増加した株主資本でまたROEを掛け合わせた利益を生み出すことができると複利効果で年々利益の額が飛躍的に増加していきます。

例えば、ROEが10%であった場合、10年目の利益は最初の10億円の2.3倍となります。

ROE10% 株主資本
(億円)
純利益
(億円)
1年目 100.0 10.0
2年目 110.0 11.0
3年目 121.0 12.1
4年目 133.1 13.3
5年目 146.4 14.6
6年目 161.1 16.1
7年目 177.2 17.7
8年目 194.9 19.5
9年目 214.4 21.4
10年目 235.8 23.6

 

一方、ROEが20%となると10年後の利益は約5倍にまで増大するのです。

 

ROE20% 株主資本
(億円)
純利益
(億円)
1年目 100.0 20.0
2年目 120.0 24.0
3年目 144.0 28.8
4年目 172.8 34.6
5年目 207.4 41.5
6年目 248.8 49.8
7年目 298.6 59.7
8年目 358.3 71.7
9年目 430.0 86.0
10年目 516.0 103.2

 

利益の飛躍的な成長のためには高ROE自体が重要な条件ともいえるのです。

眼力の構成上位銘柄

それでは眼力の現在の構成上位銘柄を見ていきましょう。上位10銘柄の構成比率合計は24.6%となっており、ある程度分散して投資をしていることがわかります。

銘柄名 ROE 構成比率
1 ギフティ 16.6% 2.8%
2 セルソース 19.82% 2.7%
3 カオナビ ▲30.49% 2.6%
4 メドピア 16.2% 2.6%
5 すららネット 5.0% 2.4%
6 BASE ▲18.8% 2.3%
7 マクアケ 25.0% 2.3%
8 プロレド
パートナーズ
20.5% 2.3%
9 エスプール 42.8% 2.3%
10 EDULAB 17.0% 2.3%

 

基本的には高いROE水準なのですが、カオナビやBASEのような純利益がマイナスの銘柄ではROEはマイナスとなっています。

しかし、これらの銘柄はまだ利益を拡大させるフェーズではなく事業投資で事業を拡大するフェーズにある銘柄です。

売上高が急上昇しているので、今後に期待できる銘柄であるということができますね。参考までに以下はBASEの業績推移です。

ベースの業績推移

売上は急拡大しながら赤字幅は大幅に削減されてきています。

比較的高い眼力の手数料水準

眼力はアクティブ型の投資信託なので比較的高い手数料となっています。

購入手数料:3.3%(税込)
信託手数料:年率1.595%(税込)

初年度は5%近い手数料が発生することになります。

高い分配金は合理的なの?

眼力は2016年2月29日の運用開始時点の基準価格は10,000円でした。

眼力は以下のように高い分配金を拠出しています。

2018年2月 1950円
2018年8月 1550円
2019年2月 850円
2019年8月 700円
2020年2月 1150円
2020年8月 2350円
設定来合計 11,070円

 

既に元本分以上の配当金を拠出しています。眼力の場合は特別分配金を拠出していないので問題ありませんが、それでも税的に投資家は非効率的になっています。

一度、配当金を拠出してしまうと問答無用で20.315%の税金が徴収されてしまうからです。基準価格が上昇していくファンドに関しては配当金を拠出しない方が合理的なのです。

眼力の成績は?利回りは高い?

では肝心の眼力の成績についてみていきたいと思います。

税引き前分配金再投資後のリターンは光っている

以下は設定来の眼力のリターンです。基準価格自体も1.5倍になっていますが、税引前配当金再投資後のリターンは3.5倍以上になっています。

眼力のリターン

参照:眼力の目論見書

 

先ほど申し上げた通り、分配金は拠出した瞬間に20.315%の税金が徴収されるので、上記の青線は実現不可能なリターンです。

しかし、それを加味したとしても2.5倍から3倍に資産を3年間で成長させることができています。

 

過去3年リターンは日経平均や日本株アクティブファンドをオーバーパフォーム

以下は税引前の以下のパフォーマンスを過去3年で比較したものです。

黄色:眼力
赤色:ひふみ投信
緑色:ジェイリバイブ
青色:日経平均

眼力のリターンを日経平均やジェイリバイブ、ひふみ投信と比較

参照:Morning Star

 

日経平均や「ひふみ投信」や「ジェイリバイブ」を圧倒した成績となっていますね。

懸念は変動幅の高さと純資産の拡大

右肩あがりで急騰しており堅調にみえる眼力ですが懸念点が2つあります。

1つは値幅の大きさです。コロナショックの下落幅は日経平均や他のファンドの下落率よりも激しくなっています。

小型グロース株投資は、株価上昇局面では力強いのですが、一度不景気が到来すると暴落する傾向にあります。

2020年10月現在、世界的にコロナの再拡大が懸念されており株価は下落基調にあります。このまま本格的な不景気に突入した場合、下落幅は大きくなることが想定されます。

 

眼力は運用を開始した時の「ひふみ投信」や「ジェイリバイブ」のような力強さを見せていますが、成績堅調による急激な純資産の増加が懸念されます。

「ひふみ投信」や「ジェイリバイブ」といった小型成長株ファンドについては純資産が200億円を超えるレベルまでは堅調に推移していましたが、人気がでると本来の小型グロース株投資を行うことができなくなります。

結果的に大型株投資も行うこととなり、日経平均と変わらない成績になってしまう傾向があるのです。

 

眼力も堅調な成績を受けて、急速に純資産が拡大しておりスタイルの変更を余儀なくされ成績が悪化するリスクにさらされる水準まできています。

今年の5月時点では200億円だった純資産が現時点では300億円まで急騰しました。

以下はジェイリバイブの純資産と株価の関係ですが、純資産が300億円を超えたあたりから基準価格が下落基調に転じています。

ジェイリバイブの資金流出

今後、眼力は今までのような成績をだせるかの岐路にたっているといえるでしょう。

まとめ

投資信託の眼力は高ROEや今後成長が見込める新興銘柄に投資している投資信託です。

2016年以来の成績は非常に堅調で投資家の資産を3倍ほどに増加させています。しかし、基準価格のボラティリティが高く大儲けすることもあれば、大損する可能性があることは頭に入れておきましょう。

また、純資産が急騰しており「ひふみ投信」や「ジェイリバイブ」のように純資産急騰後にリターンが著しく減少するという罠にはならないかが懸念されます。

以下のランキングでは筆者が投資している設定以来一度も下落することなく安定した運用を続けているファンドを中心にお伝えしていますので参考にしていただければと思います。

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