株主還元策である配当(増配)と自己株買いの違い・株価は上がる?下がる?

こんにちは!ワタルです!

前回、自社株買いの効果と注意点について説明しましたが、今回は同じく株主還元策として知られる配当との株主還元策の効果の違いについて説明していきたいと思います。

代表的な株主還元策である自社株買いとは?メリット・デメリットを事例を交えてわかりやすく解説する。

 

自社株買いの効果(メリット・デメリット)をBSとPLから考察

まず以下のようなBSを持つ企業の純利益が20億円だった場合の一株当たり自己資本である株価は以下のように増加します。

 

自社株買いの効果(メリット・デメリット)をBSとPLから考察

 

一方、自社株買いを10億円行った場合の株価は以下のようになります。

 

自社株買いを10億円行った場合の株価

 

はい。あれ??結局株価は60円のままで変わらなくない??と思われた方もいらっしゃると思います。

前回で説明した通り、自社株買いで株価が上昇する理論はEPSの上昇によるものです。

株価⤴ = EPS⤴ ×   PER→

 

では自社株買いが行われる合理的な状況とはどういう場合でしょうか??

例えば、上の例でいうと自社株買いを行わずに、その10億円を新たに事業に投下することにより利益が上昇してEPSが上昇するよりも、自社株買を行う方がEPSが上昇するのであれば自社株買いを行うことが合理的になります。

 

一方以下のような場合は自社株買いを行わない方が良いという結果になります。

自社株買を行った場合に翌年度の利益が20億円で変わらなかった場合のEPSは20億円÷0.8333億円=24円となります。

自社株買を行わず、自社株買いを行う予定だった10億円を再投資した場合に利益が30億円に伸びた場合のEPSは30億円÷1億円 = 30円となります。

 

この場合、自社株買を行わない場合の方がEPSが上昇するので、自社株買を行わない方がよいですよね。

自社株買いを行うのは経営者が投資できる多大な利益が期待できる有望な事業がない場合に、自己株買いした方が株主還元になると判断した時に行うべきものなのです。

配当の効果をBSとPLから考察

次に配当の効果を同じように考えて見ます。配当しなかった場合は上記とおなじなので割愛します。

分かり易く配当0円から配当金に10億円を拠出した場合を考察します。

 

配当0円から配当金に10億円を拠出した場合

 

自己株買いの時に比べて、税金を20%支払わなければいけない為に配当後の株主価値は自社株買いの60円から58円に減価となってしまいました。

更に株式数は不変である為に、一株当たり利益は翌年同じ利益の場合は変わらず、自己株買いのようなEPS上昇効果も得ることができません。

配当も自社株買いと同様に事業に投資をしても、大きな利益が期待できる事業が見当たらない場合に合理化されます。

 

例えば今回は具体的な数値を見て考察してみましょう。

ROEが20%で発行済株式数が1億円のA社があるとします。利益が100億円としては配当を全くしない場合と、配当を50%した場合以下図のような違いが生まれます。

 

配当を50%した場合

 

つまり配当をしなかった場合は利益100億円を再投資して20%の利益が得られるので、翌年度は120億円の利益が得られる為、一株当たり利益であるEPSは120円。

配当を50億円した場合は再投資50億円から生まれる利益は50億円×20%=10億円となるので、翌年度の利益は110億円となります。その為、一株当たり利益であるEPSは110円となります。

>平均的なPERが15倍の場合

配当金無しの場合株価は120円×15倍=1800円となります。
一方
配当金有りに場合株価は110円×15倍=1650円+配当金50円=株主価値1700円

となり配当金を出さない方がよいという結果になります。

ではこのケースの場合配当を出すことが合理的とされるケースはどのような場合でしょうか。

(1) ROEが一定以下に低い場合
上記の例PERが15倍で固定とするとROEが5.4%未満になると配当をした場合の方が配当金税後(20%)ベースで株主価値が高くなります。

(2) ROEが高くてもPERが著しく低い場合
ROEが高くてもPERが4倍のように著しく低い場合は配当することが例外的に合理的な選択肢となる。

上記の例でPERを4倍とすると配当金なしの場合の株価はEPS120円×PER4倍=480円となりますが、配当金を出した場合EPS110円×PER4倍=440円+配当金50円=490円となり配当金を拠出した方が合理的になるのです。

けど、そんなROEが20%という高成長企業で、そんなPERの株なんて存在するの??と思われたかた思いますが、イランにはそんな株が存在しています。

 

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自社株買いと配当の効果の違いまとめ

途中で横道にそれた分析をしてしまいましたが、今回のテーマである、自社株買いと配当の効果の違いについて纏めます。

自社株買いが配当に勝っている点

当期に税金を支払う必要がなく、複利効果を得ることが出来る。配当は当期に現金として拠出する必要がある為、今期20%の税金を支払わなければいけないのです。

自社株買いは市場流動株式数が減少するため、一株当たり利益が増加する一方、配当にはその効果がない。

配当が自社株買いに勝っている点

自社株買いは一旦金庫株になったあと、再び市場に放出される可能性があるが、配当には不可逆性がない。

現金が今すぐ手に入るという即金性

まとめ

効果としては自社株買いに部がありそうですが、両方とも株主還元策ではありますが無条件に喜ぶべきものではありません。

仮に他に投資して自社株買いや配当以上の利益がでる分野が存在するならば、再投資することが合理的ですし、両者を行うということは良い投資分野が存在しないということを暗示しているのかもしれないという可能性もある。

当然、前回代表的な株主還元策である自社株買いとは?メリット・デメリットを事例を交えてわかりやすく解説する。で指摘したように自社株が安すぎる為もっと高く評価されて然るべきだと経営者が判断した可能性もありますし、決算が良かったのでお礼的な意味合いや、キャッシュは稼げているが決算の利益が悪かった為、お詫びの意味を込めてという可能性もあるので、どのような経緯で自社株買いや増配が行われたのかを見ていく必要があるでしょう。

おすすめの投資先

今回紹介したような自社株買いや配当金を出すのが合理的な日本企業として、東証二部や地方証券取引所に上場されているような小型銘柄で現金を異常なレベルで保有しているROEの低い企業です。

これらの企業の中にはベンジャミン・グレアムの投資対象『ネットネット株』を分かり易く解説<図解有り>で記載しているようなネットネット株という現金価値よりも低い価格で評価されている株価の企業が存在します。

 

これらの企業の経営者はそもそも自己株買いや増配により株主価値が高まること自体を知らない経営者が多い為、これらの銘柄の株を取得して積極的に自社株買いや増配を促しz能動的に株価を引き上げる努力をしているファンドが存在しています。

私も投資を行っているのですが、毎年10%程度の投資家ベースでの利回りを還元しており、下落が半年ベースで一度もないという素晴らしいファンドです。

管理人おすすめファンドランキングに纏めておりますので、参考にしてみて下さい!

おすすめ投資先先ランキング BEST3

2020年から投資先としておすすめできる投資先を収益性・安定性・将来性の観点から、ランキング形式で紹介しています!

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