物価上昇は何をもたらすか?インフレのメリット、デメリットを解説!

経済ニュースや新聞などで、しきりに「インフレが~」と叫ばれていますが、このインフレ、なぜここまで注目されているのか、正確に把握している人は少ないかもしれません。今回は、このインフレについて、メリット、デメリットに触れながら正体を暴いていきます。

インフレとは何か?

 

まず、インフレの考え方について確認しておきましょう。インフレ(正式名称:インフレーション)とは、需要の高まり、または供給不足によって物価が高くなる現象です。現代の資本主義経済では、基本的にモノ、サービスの価格は市場によって決定されます。どれくらい需要、供給があるのかで、ちょうど均衡する価格に落ち着き、市場の価格となるのです。インフレでは、この価格変動が高い水準に移動します。

 

インフレのメリットについて

 

それでは、インフレのメリットについて確認していきましょう。

 

景気がよくなる!

 

インフレで物価上昇が起こっている際は、一般的に景気が好調になります。物価が上がるということは、それだけモノやサービスがたくさん売れているということですので、消費が活発になっていることを示します。消費が活発になれば、企業はさらに生産を増やしていき、利益を拡大させていきます。やがて、利益の拡大分が労働者の給料に反映されるようになり、さらに消費が増える好循環が生まれるのです。

 

もちろん、景気には良いときと悪いときがあるので、この好循環の連鎖は永遠に続くわけではありません。ただ、この循環を緩やかにキープすることができれば、理論上、経済は成長し続けるきとになります。各国の中央銀行が目指すのは、この緩やかなインフレ状態で、日本銀行もインフレ率の目標値を定めて、金融政策を実施しています。

 

為替相場が円安になる!

 

インフレによって、国内の物価が上がると日本円の価値は下がることになります。これが、外国為替相場に反映されて、円が下落し、他の通貨が上昇するのです。たとえば、円とドルの相場を考えた際、1ドル=100円だった相場が、インフレにより1ドル120円ほどになり、円安が進行することになります。円安になると、日本にとって輸出で得られる利益が増えますので、製造業を中心にますます業績が良くなります。また、外国にとっては、自国通貨の価値が高くなるため、今までよりも安い価格で日本を観光することができます。これまた、日本の旅行業にとってプラスになります。

 

円相場が下落することで、日本企業の業績がよくなり、さらなる好循環が生まれます。自国通貨の為替相場を意図的に下落させようとする国もあるぐらい、為替相場の影響力は大きいのです。

 

インフレのデメリットについて

 

次に、インフレのデメリットについて見ていきましょう。

 

物価高が生活を圧迫する

 

インフレによって物価が高くなると、日用品や食料品の費用が増えていきます。毎日使うものが値上がりすると、家計にはかなり痛いです。

 

自身が働いてる企業の業績が伸びて、給料が高くなれば問題ありませんが、必ずしも全ての企業が給料を高くするとは限りません。給料が上がらずに、物価だけ高くなれば、生活はインフレ前よりも苦しくなります。

 

特に、派遣社員やフリーターなどの非正規雇用の労働者の場合、給料が高くなることは稀ですので、物価高の影響を直に受けることになります。

 

急激なインフレは経済を崩壊させる

 

インフレの中には、通貨の信用崩壊によって起こるものもあります。「国が潰れて、通貨の価値がなくなるかもしれない」という事態に直面すると、急激なインフレが進行してしまうのです。この事例として、第一次世界大戦後のドイツが挙げられます。ドイツは、戦後にイギリス、フランスから途方もない額の賠償金を請求され、それを返済するために大量の紙幣を発行しました。この結果、大量の紙幣が市中に出回ることになり、あり得ないほどのインフレが進行したのです。このような急激なインフレのことを「ハイパーインフレーション」と呼びます。ちなみに、当時のドイツではパン1個の価格が「1兆マルク」でした(マルクは、当時のドイツの通貨単位)。パンを買うのに1兆円支払うような感覚ですね。ここまでインフレが進行すると、貨幣を持ち運ぶのにも一苦労で、もはや「携帯できる」貨幣の役割さえもなくなってしまいます。

 

 

性質の悪いインフレもある?

 

基本的に、インフレは景気を好調にしますが、中には性質の悪いインフレもあります。それは、「スタグフレーション」と呼ばれるものです。スタグフレーションとは、インフレが進んでいるにも関わらず、実体の経済は成長せずに下降していく経済現象を指します。物価だけ高くなって、景気が良くならないというのは、最悪の状態といっても過言ではありません。

 

スタグフレーションが起こる理由として、外部経済による急激な供給制限が挙げられます。今まで何も問題なく輸入できていた製品、資源が急に輸入できなくなると、国内の経済が混乱してしまうのです。代表的な例として、1973年に起こったオイルショックが挙げられます。オイルショックによって、アメリカをはじめとする先進諸国は、安価な原油を大量に輸入することが困難になり、国内産業がダメージを受けます。また、原油不足により、化学製品の価格が急騰してしまい、景気が不調でありながらも、物価が上がる状態が完成してしまうのです。

 

スタグフレーションは、外部からのショックが無ければ、基本的に発生しづらい経済現象です。ただ、一度スタグフレーションに陥ると、その後は景気後退が継続してしまう可能性が高くなります。自由貿易が目指されている世界ではありますが、まだまだ貿易は政治的に利用されてしまう側面も持ち合わせていると言えますね。

 

インフレはバブルを生みだす!

 

インフレ時に、中央銀行が引き締め策をとらないと、お金はどんどん市中にあふれていくことになります。余剰資金を持った人が増える為、そのお金を更に増やそうと「金融市場」にお金を集めていきます。そうすると、株式市場、債券市場の取引量が増え、株価が上昇しやすい状態になります。実際の経済は、そこまで成長していないのに、株価、債券価格のみが急上昇していくのです。これを「バブル経済」と呼びます。

 

バブル経済は、その名が示す通り、どんどん膨らんではいきますが、ある時点で一気に破裂します。株式市場、債券市場でも、投資家たちは「まだ価格が上がる!」と見込んだうえで投資を行っていますが、ある地点で「この後、価格が下落するかもしれない」という考えに至ります。その瞬間は、株や債券が売られていき、急激に価格が下がっていくのです。インフレが進み過ぎても、結局は経済の後退につながります。好景気の際に、インフレを抑制することで、息の長いインフレ状態を実現することが可能になる訳です。

 

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか。インフレは、好景気を生み出す経済状態です。インフレによる物価上昇や円安の進行は、その主たる例といってよいでしょう。日本をはじめ、世界各国の政府、中央銀行はインフレの状態を目指して、金融・財政政策を実施しています。ただ、インフレにはメリット、デメリットがそれぞれ存在しますので、両者を踏まえた上で、インフレと向き合っていかねばなりません。インフレは私たちの暮らしにも多大な影響を与えますので、常日頃から経済ニュース等をチェックして、インフレの兆候を把握することが肝要と言えますね。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました