配当性向の高い企業はどれ?100%を超える会社例と選び方

配当性向は投資してくれた株主に対して、どれくらいの利益を還元しているのか分かる指標です。保有している株式の配当性向が高ければ、受け取れる配当金が増える傾向があります。

中には配当性向が100%を超える会社もあり、利益を超える配当金が還元されることも。この記事では配当性向の仕組みや100%を超える会社について詳しく解説します。

配当性向とは

投資家が銘柄を選ぶときに役立つ指標の1つとして、利益と配当額の割合を示すのが配当性向です。「配当性向(%)=1株あたりの配当額÷当期純利益×100」という式で計算できます。

会社の配当性向が大きければ、会社はより多くの利益を還元している傾向です。例えば配当性向が100%の銘柄がある場合、その会社は純利益をすべて株主に還元しています。

逆に配当性向が0%である会社は株主に配当金を配らず、純利益を内部留保に保管しています。日本経済新聞によると、日本国内の上場企業全体における配当性向は30%程度です。

アメリカやヨーロッパでは主要企業の配当性向が50%近くであるのに対して、日本の企業は還元する利益の割合が小さいもの。しかし株主の要望によって国内企業の配当性向は年々上昇しています。

配当性向が高い会社の特徴

利益の還元方針を定めた配当政策を開示していて、株主を優遇する会社は配当性向が高くなる傾向。会社の配当政策は公式ホームページのIR情報に掲載されている場合があります。

例えばあおぞら銀行では配当・株主優待制度において「配当性向を50%程度にする」ことを策定しています。実際に2016年から2019年まで50%程度の配当性向が続いているのです。

また成熟した産業で活躍する会社の場合、ROEを高めるために配当額を増やす場合もあること。これ以上利益を増やすことが難しくても、配当性向を高めることでROEも大きくできます。

高いROEによって株主からの信頼を落とすことなく、会社は株価を維持することが可能です。発生した利益を成長投資に回しにくい企業は配当性向が高くなる傾向があります。

配当性向が低い会社の特徴

配当性向が低い会社の特徴は2つ挙げられます。1つは会社がこれから成長する産業で活躍していて「純利益をなるべく設備投資などに回したい」と経営陣が考えているパターンです。

例えばIT分野では設備やソフトウェア開発への投資により、さらに便利な商品を開発できる可能性があります。ヒット商品を生み出すには資金が必要であり、そのために配当性向は下がってしまうのです。

また、そもそも会社の資金繰りが厳しくて、株主に配当する余裕がないパターンもあります。保有している利益や資産が少なければ配当可能額がなくなり、配当性向も悪化するもの。

もし興味がある会社の配当性向が低い場合は、なぜ配当額が少ないのかチェックしましょう。利益が少なくて配当金を配れない会社に投資してしまうと、自分が損してしまうリスクが高まります。

配当性向で投資先を選ぶコツ

「配当性向の仕組みが複雑で銘柄の選び方が分かりにくい」と思った人は多くいるはず。そもそも多くの配当金を得られたとしても、株価の下落によって損したら意味がありません。

なるべくリスクを抑えた株式投資を実現するには、自分の投資スタイルによって配当性向の見方を変えることが重要。配当性向で投資先を選ぶコツは次の2つです。

1. ハイリターンを求めるなら配当性向の低い銘柄
2. 低リスクを重視するなら配当性向の高い銘柄

それぞれのコツについて詳しく解説します。

ハイリターンを求めるなら配当性向の低い銘柄

配当性向の低い会社は利益を投資に回していることが多く、将来的には大きく成長する可能性があります。もし株式投資でハイリターンを求めるなら、配当性向の低い銘柄に投資しましょう。

例えば会社がニーズのある新商品・サービスを開発すると、業績向上からの株価上昇に期待できます。たとえ受け取れる配当額が少なくても、売却益で大きなリターンを得られる可能性は大きいです。

ただし、配当性向が低いため株式を売却するまでは、投資した資金を回収するのが難しいデメリットもあります。投資した会社が成長投資に失敗して、株価が下がるリスクも大きいです。

成長投資によってハイリターンを狙える一方、配当性向の低い銘柄にはハイリスクもあることを知っておきましょう。低リスクを重視する人は配当性向の高い銘柄に投資することがオススメです。

低リスクを重視するなら配当性向の高い銘柄

配当性向の高い会社は成熟産業であることが多く、安定した売上や経営に期待できます。もし低リスクな株式投資をしたい人は、なるべく配当性向の高い銘柄に投資しましょう。

投資した会社が市場シェアを維持できていれば、株価や配当額が大きく変動する可能性は少ないです。成熟産業なら投資する必要性が少なく、高い配当利回りを見込めるのもメリット。

ただし、他の産業に市場シェアを奪われてしまい、成熟した会社が衰退するリスクもあります。株式に投資した後もニュースなどで市場の動向を確認して、定期的に投資先を整理することがオススメです。

配当性向が100%を超える会社例

「とにかく配当性向が大きい銘柄に投資したい」と思う人も中にはいるかもしれません。過去の実績配当性向が100%を超えた会社として、次のような3つの例があります。

1. ベリテ(9904)
2. ウェルネット(2428)
3. ナガセ(9733)

それぞれの会社について詳しく見てみましょう。

ベリテ(9904)

ベリテは宝石や貴金属、ファッショングッズなどを取り扱う小売店です。宝飾品の販売や下取りだけでなく、リフォームやクリーニングといったサービスも提供しています。

2019年3月におけるベリテの実績配当性向は161.6%であり、1株あたりの純利益を超える配当額を還元しているのが特徴。実績配当利回りも9.64%と高く、高リターンに期待できます。

しかし2017年から売上高が減少していて、将来的には赤字になるリスクもあること。売上が下がり続ければ資本が少なくなり、配当性向が低下する可能性が大きいです。

ウェルネット(2428)

キャッシュレス決済や認証ソリューションといったサービスを提供している会社がウェルネットです。コンビニや銀行ATM、ネットバンクで使える決済サービスを提供しているのが特徴があります。

2019年6月におけるウェルネットの配当性向は249.8%とかなり高く、実績配当利回りは6.89%ほど。ただし、2020年6月の配当額は非公開であり、利回りが悪化する可能性も小さくありません。

また、過去5年間で売上高は横ばいが続いているのに対して、営業利益が大幅に悪化している実情もあります。これから投資する人は今後の業績に十分注意しましょう。

ナガセ(9733)

関東圏をメインに予備校や学習塾を展開している会社がナガセです。2019年3月におけるナガセの配当性向は113.4%と大きいですが、実績配当利回りは2.37%と低めなのが特徴。

2019年には営業利益が前期と比べて-48.3%と下がり、少子化によって今後も業績が悪化するリスクがあります。配当性向が高い銘柄であっても、配当利回りが悪ければリターンに期待できません。

まとめ

会社が株主に対してどれくらいの利益を還元しているのか、簡単に把握できる指標が配当性向です。配当性向の高い銘柄であれば、リスクを抑えられるメリットがあります。

逆に配当性向が低ければ内部留保が増えて、会社の成長により売却益を得られる可能性もあること。自分の投資スタイルを検討してから、配当性向を参考にして銘柄を選びましょう。

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