財務諸表とは何か?企業の決算に使われる理由や内容を解説

会社の安定した経営を実現するには、自社の経営状況や財政状態などを客観的に確認することが重要です。会社の内情を売上や負債といった数字で確認することで、課題点やリスクなどを明確化できます。

財務諸表は会社の利益や資産などをまとめた書類であり、経営を改善するのをサポートするものです。なぜ財務諸表が会社にとって重要であるのか、決算に使われる理由や内容を詳しく解説します。

財務諸表について

1年間における会社の経営成績や財政状態、キャッシュフローなどを記載した書類が財務諸表です。自社の経営状況を把握するだけでなく、外部の利害関係者が会社の情報を知るのにも財務諸表は使われます。

会社が保有している資産と負債のバランスを見極められるのが財務諸表の特徴。教師から受け取る成績表や医師から受け取る健康診断書をイメージすると、経営成績を示す財務諸表をイメージしやすいはず。

財務諸表には最も重視される財務三表と、その他の各種書類により構成されます。さまざまな書類を読み取ることで、会社の経営における妥当性や将来性などを客観的に分析できるでしょう。

決算に使われる理由

証券取引所に株式を公開している上場企業の場合、法律によって財務諸表を政府機関に提出することが必要です。そのため「自社は非上場だから財務諸表を作る必要がない」と思う人も中にはいるはず。

ですが経営成績や財政状態から会社の実情を把握するためには財務諸表が重要です。会社の会計により財務諸表を作ることで、以下のような疑問を解決できます。

事業で利益を増やせているけど、実際にどれくらいの資金が入金されているのか?
会社はどれくらいの資金を保有していて、資金がショートする可能性はないのか?
将来の支出に耐えられない場合、どれくらいの資金を調達すればよいのか?

財務諸表によりお金の面に関する疑問を解消できるのがメリットです。他にも法人代表者が金融機関から融資を受ける場合、財務諸表を提出する義務があります。

会社と利益や損害を共有する取引先や投資家に、会社の内情を知らせるのにも財務書類は役に立つものです。さまざまな利害関係者から信頼を得るために、経営成績を示す財務諸表の作成が必要になります。

書類を分析するコツ

作成した財務諸表から会社の内情を分析するには、数字から比率や指標を測定することが重要です。例えば会社が利益をうまく生み出しているかどうか調べるには、以下の指標が役に立ちます。

売上高利益率:当期純利益を売上高で割る:会社の利益率を分析できる
総資産回転率:売上高を総資産で割る:資産をうまく活用できているのか分析
自己資本利益率:当期純利益を自己資本で割る:資産で利益を出せているのか分析

会社が安定して経営を続けられるかどうか調べるには、以下のような比率で分析すると良いですね。

流動比率:流動資産を流動負債で割る:短期的な支払い能力を分析できる
自己資本比率:自己資本を総資本で割る:資産と負債の割合を分析できる

数字から比率や指標を計算することで、会社の収益性や安全性などが分かります。財務諸表に記載された数字をそのまま読み取るだけでなく、数字を指標に当てはめて計算することが重要です。

財務諸表の内容

会社の経営成績や財政状態を示す財務諸表には次の6つの要素があります。

貸借対照表
損益計算書
キャッシュフロー計算書
事業報告書
株主資本等変動計算書
附属明細書

それぞれの要素について簡単に知っておきましょう。

貸借対照表

決算日の時点における会社が保有している資産や負債などを記録するのが貸借対照表です。英語ではバランスシートと呼ばれていて、貸借対照表には以下のような要素を記録します。

流動資産:預貯金や売掛金、返済期限が1年以内の貸付金といった換金しやすい資産
固定資産:不動産や長期貸付金、特許権といった換金しにくい資産
流動負債:買掛金や手形、法人税といった1年以内に支払う必要がある負債
純資産:資本金や利益余剰金といった会社の自己資本

会社が保有する資産と負債、自己資金をまとめて記載されていて、資産と負債、自己資本とのバランスが保たれているのが特徴です。

損益計算書

会社が事業により儲けている利益を分析するのに使われるのが損益計算書です。英語ではプロフィット・アンド・ロスと呼ばれていて、以下の5つある要素により構成されます。

売上総利益:売上高から売上原価を引いて計算される会社の基本利益
営業利益:売上総利益から販売費や一般管理費用を引いて計算される利益
経常利益:本業以外で発生する営業外費用を営業利益から引いて計算される利益
税引前当期純利益:経常利益から特別損失を引いて計算される利益
当期純利益:税引前当期純利益から法人税や事業税などを引いて計算される利益

売上高がプラスであっても、会社の当期純利益がマイナスであれば赤字決算になるものです。利益や損失から会社の経営状況を判断するのに損益計算書は役に立ちます。

キャッシュフロー計算書

会社の内側でお金がどのように動いているのかを示すのがキャッシュフロー計算書です。以下にある3つの要素によりお金の流れを明らかにします。

営業活動によるキャッシュフロー:事業の営業活動により増減した金額を記載
投資活動によるキャッシュフロー:投資活動により増減した金額を記載
財務活動によるキャッシュフロー:財務活動により増減した金額を記載

例えば投資活動のキャッシュフローの場合、有価証券や固定資産を売買したことによる支出額や利益額を記録。上記の他にも現金または現金同等物の増減額や期首残高、期末残高を記録します。

キャッシュフロー計算書により会社が使える資金がどれくらいあるのか把握できるのが特徴です。不動産や長期貸付金といったすぐには換金できない要素は含まれません。

事業報告書

事業報告書は会社が事業による営業活動をどのように行っているのか記録するものです。会社が作成する事業報告書には以下のような要素が記載されます。

企業集団の現況:企業の概要や事業の経過または成果、対策すべき課題など
会社の株式に関する事項:株主総数や発行済み株式の総数、大株主など
会計監査人に関する事項:名称や報酬額、非監査業務の内容など
業務の適正を確保するための体制と運用状況の概要

会社の営業状況や今後の見込みを分析するのに事業報告書は便利です。

株主資本等変動計算書

会社法の改正により余剰金をいつでも配当できるようになってから、株主資本等変動計算書を提出することが必要になりました。資本金や余剰金の流れを把握するのに役立ちます。

株主資本等変動計算書は以下の3つの要素により構成されるものです。

当期首残高:今期が始まるときの残高であり、前期の当期末残高から記録
当期変動額合計:期間中に生じた数値の変動を記録
当期末残高:期末のときに保有している残高を記録

法律によりすべての会社が株主資本等変動計算書を作成する必要があります。

附属明細書

財務三表である貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書だけでは分からない細かい部分を記録するのが附属明細書です。以下のような要素により財務諸表の補足をサポートします。

有価証券明細表
固定資産等明細表
社債明細表
借入金等明細表
引当金等明細表

財務諸表の記録だけでは把握できない事項を補足するのに附属明細書を活用することが重要です。

まとめ

財務諸表とは会社の財政状態や経営成績などを示す重要な書類です。上場している企業は金融商品取引法により財務諸表の作成が義務付けられていて、利害関係者が会社の内情を分析するのに役立ちます。

会社が問題なく事業を続けられるか判断するために、財務諸表を活用して実情を把握しましょう。

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